シャドーイングのすすめ

shadow

シャドーイングとは?

シャドーイングとは、shadow(影)のごとく、英文を聴きながらそのすぐ後を追いかけるようにして、正確に口に出すトレーニングです。
このトレーニングは、「人間が音声を認識する際には、音声を発声する際の筋肉(モーター)への指令を参照している」いう「モーター理論」、簡単に言うと「自分で発音できる音」=「聴きき取れる音」であるという理論に基づくものです。
本来は同時通訳のためのトレーニングですが、近年、一般的な英語学習法として知られるようになりました。管理人もフィリピン留学中に実践し、効果を実感しています。

シャドーイングの効果

シャドーイングには、リスニングとスピーキングの橋渡しをする効果があると言われています。言い換えると、シャドーイングは、リスニング力とスピーキング力を一緒に向上させることが可能なトレーニングです。いろいろな人がシャドーイングの効果について語っていますが、管理人が考える効果は以下の通りです。

英語処理スピードのアップ

管理人はこれが一番の効果だと感じます。「英語処理」とはリスニング・スピーキング両方に共通することです。
まず、直後に自分がそのまま口に出さないといけないので、一つ一つの単語を正確に聴きとらなくてはなりません。それだけでなく、英文の意味も理解しないといけません、しかし、センテンス全体をじっくり振り返ることはできないので、英文を頭から聴いてすぐに理解しなくてはいけません
そして、自分で発声するときには、文法的に正確な英文を組み立てて話さなくてはいけません。ここが面白いところで、シャドーイングをやってみれば分かりますが、いくら真似をしていいと言われても、適当に真似をすることは不可能で、自分で話すときには、正しく組み立てた英文でないと気持ち悪いのです。(逆に言うと、英文の意味や文法を全く理解せずに適当に真似をするシャドーイングは意味がないのでご注意ください。)もちろん、この処理も頭の中をフル回転させて猛スピードで行う必要があります。つまり、速く・正確に英文を口に出すことが強制されるのです。
これが、リスニング力とスピーキング力が一緒に向上するメカニズムです。

尚、シャドーイングは英会話がある程度できるようになった、初級~中級者におすすめの学習法です。「まだまったく英語が口から出てこない」というレベルの超初級者にはおすすめしません。そんな方は、まず「瞬間英作文」を一冊終わらせてから、シャドーイングにトライすることをおすすめします。

聴き取りにくい音に慣れる

英語が流暢であればあるほど我々にとっては聴き取りにくいものです。聴き取りにくい大きな原因の一つは、会話の中では単語が一つ一つ単独ではなく、連続して素早く発音されるので、各単語の音が辞書に書かれている発音とは違った音になるからです。具体的には、音が「消える」「弱くなる」「変わる」などの現象が起こります。ちなみに、管理人は最近以下の熟語を聴きとることができませんでした。
went out of business(商売を辞めた)⇒ ウェンラウロビジネス

こうした聴き取りにくい音は、なんとなく聴いているだけでは「うわぁ、分かんねぇ」で終わってしまいますが、自分が真似するとなると、嫌でもしっかり聴きとって特徴をつかもうとします。この積み重ねが、リスニング力を大きく成長させます。

具体的な勉強法としておすすめなのは、英語教材でも映画のDVDでも、聴き取れない言葉に出会ったときは、それをシャドーイングしてみる、ということです。冒頭で「自分で発音できる音」=「聴き取れる音」と述べましたが、それはつまり、「聴き取れないのはそれを自分が発音できないから」ということです。聴き取れない言葉をコツコツ自分で口に出すことにより、今まで聴き取れなかった音は少しずつ聴き取れるようになっていきます。

発音がよくなる

シャドーイングは発音の向上に絶大な効果があります。大まかに「発音」と言いましたが、具体的には以下のようなものを含みます。

  • 単語自体の発音
  • 単語自体のアクセント
  • 文全体のイントネーション(抑揚)
  • 単語と単語のつながり、またそれによる音の変化

日本人は、英語を発音をしようとすると、単語と単語がぶつ切り、またアクセントもイントネーションもないのっぺりとした調子になりがちです。模範の英文を真似して口に出そうとすることにより、結果としてに自然な英文の発音に近づきます

シャドーイングの仕方

シャドーイングは、英文を聴きながらそのすぐ後を追いかけるようにして口に出すのですが、具体的には単語1~2語遅れて読むことになります。以下のような形です。

We will not tolerate anyone who engages in terrorism. (CD等で聴こえる音声)
⇒⇒ We will not tolerate anyone who engages in terrorism. (自分の発声)

以下にシャドーイングを行うときの注意点を記します。

しっかり真似る

前述したような、「発音」「アクセント」「イントネーション」「音と音のつながり」などに気をつけて、ものまねタレントになったつもりで、しっかり真似をしてください。また、実際に自分の言葉として会話で話すつもりになって、大きな声で口に出してください。

まずはスクリプトを読みながら

初めて聴く英文をいきなりシャドーイングをするのは難しすぎます。以下の順で行いましょう。

  • まずは英文をよく読み、意味や一つ一つの単語を確認する
  • 英文を読みながらシャドーイング
  • 何も見ずに、聞こえてくる音だけを頼りにシャドーイング

英文を暗記して口に出してはいけない

これがなかなか難しいので注意が必要です。シャドーイングは基本的に一発ではうまくできないので、何度も一つの英文を繰り返して口に出すことになります。そうすると、どうしても英文を暗記してしまいます。しかし、そこで暗記した英文をそのまま口に出してはいけません!あくまでも英文を聴きながら、ワンテンポ遅れて口に出すように心がけてください。このワンテンポ遅れるということが重要です。もしほぼ同時にかぶせるように口に出してしまったら、それはもはやシャドーイングではありません。英文を咄嗟に考えながら真似ることに意義があります

速すぎる場合はスロースピードで

シャドーイングで聴く英文は、英語脳に常に軽いストレスを感じるくらいの「速過ぎず・遅過ぎず」のスピードが望ましいです。もし「遅すぎる」場合は、数をこなすことによりそれなりにトレーニングにはなるのですが、問題は「速すぎ」て手も足も出ないような場合です。そんな場合は、是非音声の再生を速度を遅くしてみてください。また、一つのセンテンスとその次のセンテンスの間隔が短いときには一時停止しても構いません。

音声をパソコンで聴く場合は、「Windows Media Player」に、再生スピードを遅くする設定があります。設定方法はこちらのサイトで詳しく紹介されていますのでご参照ください。

携帯端末では、SONYのウォークマンは0.5倍から2倍の間で再生スピードを調節できます。ちなみにソニーのウォークマンは再生スピードの調節だけでなく、語学学習に役立ついろいろな機能があるので大変おすすめです。
・語学学習関連の機能について(SONYのWEBサイト
・SONYウォークマンの検索結果(楽天

数秒巻き戻す

なかなか一発できれいにシャドーイングするのは難しいので、きっと同じものをその場で何度か繰り返してやり直すことになります。そのとき活用する必要があるのが、数秒だけ巻き戻す機能です。この機能があると便利、というかこの機能がないとシャドーイングできないといっても過言ではありません。非常に不便です。Windows Media Playerの場合、[Shift]キーを押しながら[←]キーを押すと3秒ほど巻き戻ります。同様の機能はウォークマン等の専用の音楽プレーヤーなら必ずついています。

イヤホンの片耳を外す

シャドーイングするときは、イヤホン(ヘッドホン)の片耳を外すことを強くおすすめします。これは、自分の発音している声を確認しながら発音の微調整をするためで、これをしないと自分の発音の間違いに気付かない恐れがあります。耳が不自由の方が発話もぎこちないのと同じ理屈です。

シャドーイングのおすすめの教材

ひとつ言えることは、身の回りにある「音源」と「英文(スクリプト)」が揃っている全ての教材はシャドーイング教材になります

管理人自身は、留学中「瞬間英作文」と「DUO」を使って、シャドーイングをしました。具体的な使用法は、リンク先の各記事をご参照ください。これらは特に専用のシャドーイング教材ではありませんが、特に「DUO」は、どれもネイティヴが監修した活きた例文で、且つほどよく高度なので、非常によいシャドーイング教材だと感じました。

また、一冊の教材でなくても、前述のように、何でも「聴き取れない言葉に出会ったときは、それをシャドーイングしてみる」という細切れのシャドーイングでも十分です。その積み重ねは大きなものになります。管理人は帰国後に使ったアルクの「挑戦900点TOEICテスト攻略プログラム」でも、それを実践しました。

あるいは、英語のドラマや映画のDVD(正確なスクリプトがあるもの)を使う手もあります。ただし、ドラマや映画の全体を通してシャドーイングするのは難しすぎ、また負担も大きすぎるので、特に聴き取りが難しかったところや、自分が会話で使ってみたいフレーズをピックアップするとよいでしょう。管理人は、フィリピン留学中にアメリカのコメディ「フレンズ」の存在を知り、息抜きを兼ねた勉強として、これを活用していました。フレンズについてはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご参照ください。

まとめ

このように、シャドーイングは、一石二鳥、三鳥の効果がある有効な英語学習法です。是非早めに取り入れて、リスニングとスピーキングの上達に活用してみてください。

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管理人プロフィール

1972年生まれ。
学生時代は塾・予備校で5年間英語講師を務め受験英語に精通するも、英会話はからっきし。
2007年、35歳にして英会話習得のために6ヶ月のフィリピン留学を敢行。
帰国後は外資系IT企業に転職。
2015年の第203回TOEICでは935点を取得しました。
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